狭山茶とは
狭山茶(さやまちゃ)とは、埼玉県西部および東京都西多摩地域を中心に生産されている日本茶です。茶産地としては最も寒冷な地域であり、お茶摘みは一番茶〜二番茶までがほとんど。そのため葉肉が厚く、蓄積される栄養素が多くなることから、深い旨味とコクを持つのが特徴で、「味の狭山茶」とも言われます。
また、自園の茶畑で栽培した茶葉を自園工場で製茶し、販売まで一貫して行う「自園・自製・自販」のお茶農家が多いのも特徴です。各農家がこだわりを持って作るため、同じ狭山茶でも農家ごとに味わいが異なり、多様性のある茶産地といえます。それぞれが販売まで行うため、三大銘茶でありながら全国的な流通量は少なく、希少性の高いお茶という面もあります。
江戸時代から続く農家
お茶の平岡園は、三富新田(埼玉県入間郡三芳町上富〜所沢市中富・下富)で、江戸中期より代々続く農家です。この地に伝わる「武蔵野の落ち葉堆肥農法」は、日本農業遺産に続き、世界農業遺産にも認定されました(世界農業遺産認定について)。平岡園はその実践農業者として、落ち葉堆肥を活用した持続可能な循環型農法で、代々受け継いだ肥沃な大地でお茶を育てています。
安心・安全への取り組み
安心してお飲みいただけるお茶であるために、残留農薬検査を毎年実施しています。また、残留農薬基準が世界で最も厳しいといわれるEUへの輸出実績もあります。
さらに味わい深く
お茶の平岡園では、枝をなるべく切らないように仕立てることで芽数を少なくし、ひとつひとつの芽を大きくする「芽重型(がじゅうがた)栽培」でお茶を育てています。1枚の葉にたくさんの養分を蓄えることで、さらにコクのあるお茶になります。また、旨み・甘みを高めるために、一定期間日光を遮りアミノ酸含有量を高める工夫を、茶種に応じて取り入れています。
製茶のこだわり
新鮮香のする煎茶を作るためには、摘み取り後、新鮮な状態のままに酸化発酵をきっちり止めることが大切です。茶畑と製茶工場がすぐ近くにあるため、摘み取った葉を速やかに運び入れることができます。栄養素いっぱいの厚い葉は芯まで蒸すのが難しいため、たっぷりの蒸気で通常より長めに蒸して酸化発酵を止めます。そのため当園の煎茶は基本的に中蒸し〜深蒸し煎茶となります。揉む工程では、人肌くらいの茶温で、じっくりと揉むことで味を引き出しています。
紅茶を作るときは、摘み取り後に時間をかけて萎れさせる「萎凋(いちょう)」が重要です。お茶の平岡園では強制的な萎凋は行わず、ゆっくり時間をかけて香りを高めるようにしています。この技術の応用で、煎茶をあえて萎凋させて香りを引き出す「萎凋煎茶」を作ることもあります。
私たちが丹精を込めた、こだわりの狭山茶をぜひご賞味ください。
おいしい淹れ方
おすすめの淹れ方
- 急須と茶碗に熱湯を注ぎ、茶器を温めます。
- 急須のお湯を捨て、急須に茶葉を入れます。ここで茶葉の香りをお楽しみください。
- 急須にお湯を注ぎます。
煎茶・茎茶・造り込み茶 → 65〜80℃(1.で茶碗に注いだお湯を使うと簡単です)
ほうじ茶・白茶・烏龍茶・紅茶 → 熱湯 - 急須に蓋をして30秒〜1分ほど待ってから淹れます。最後の一滴まで注ぎ切ります。複数人に注ぎ分ける際は茶海(ちゃかい)が便利です。
- 二煎目以降、緑茶は待たずにサッと、白茶・烏龍茶・紅茶は1分ほど待ってから淹れます。
※紅茶(ブレンド)は英国式3分〜5分抽出の淹れ方もおすすめです。
お湯の温度について
湯温が低いほど、渋みを抑え、うまみ・甘みを感じやすくなり、うまみの多い煎茶に適しています。一方、湯温が高いほど香りを引き出しやすくなり、ほうじ茶や烏龍茶、紅茶は熱湯が適しています。
お好みの味に調整する方法
- うまみが好きな場合 → 湯温を下げる / 時間を長く / 氷出し・水出しもおすすめ
- うまみが苦手な場合 → 湯温を上げる / 時間を短く
- 渋みが好きな場合 → 湯温を上げる / 時間を長く
- 渋みが苦手な場合 → 湯温を下げる / 時間を短く
- 味が薄いと感じる場合 → 時間を長く / 茶葉の量を増やす
食べる通信で特集していただきました
「食べる通信」は、食のつくり手を特集した情報誌と、その農家が収穫した食べものなどがセットで定期的に届く食べもの付き情報誌です。埼玉食べる通信「所沢市・平岡園の落ち葉が育む狭山茶」で、つくり手として特集していただきました。